映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史の感想を今更書き変える。

 
 以前書いた新・のび太の宇宙開拓史の感想を書きなおしました。なぜ今更こんなことをしたのかというと、旧版の「のび太の宇宙開拓史」を改めて見返して、その感想を書こうと思い立った際に、ついでに新版の方の感想も書きなおしておこうと思ったからです。
 
 
 宇宙開拓史は非常に人気の高い作品で、もちろんぼくも大好きな作品です。大長編の最高傑作ベスト5に間違いなく入る作品です。予告を見た印象では見どころがいっぱいありそうで楽しませてくれそうだと期待していました。
 映画へは小学生の弟と二人で行きました。休日ということもあり小学生がたくさんいましたが、みんなしずかに見ていました。見終わったら後ろの子がおもしろかった〜と言っていましたし、うちの弟も非常に満足していました。ドラえもんの本来のターゲットである子どもたちに受けたという意味では今回の作品は大成功と言ってもいいのではないでしょうか。
 弟はドラえもん映画は毎年子供会の行事として見に行ってるのですが、今年はその恒例行事がなかったそうです。ひょっとして去年の映画があまりにも悲惨だったから無しになったんじゃあないのか?なんて思ってしまいました^^ 去年の映画のひどさが今年の観客動員数に響いてるのかもしれませんねえ。
 さて、本題の感想に入ります。序盤はだいたい原作通りで・・・みんながコーヤコーヤ星で野球をするシーン。原作では重力が小さいからこんなところでは野球は出来ないとジャイアンたちは怒って帰ってしましますが、この映画ではガルタイト鉱業に襲われたからと、いう理由に変更。重力うんぬんについてはあまり深く言及されませんでした。で、重力が軽いということをどこで気付かせるのかなと見ていたら、ただ小惑星で気づいたっていうだけでね。無意味な改変でしたね。野球という比較的身近なものを通したほうがなんとなく分かりやすいと思うんですけどねえ・・・
 ドラミが無理やり登場・・・来年もこんな風に出てくるんですかね。まあこじつけてストーリーに絡ませるよりはいいかもしれません。
 コーヤコーヤ星でのロップル君との交流などがしっかり描かれていて好感を持てました。宇宙開拓史は序盤、終盤以外割と5人がバラバラに行動しますが、どうせ今回のリメイクで、無理やり5人一緒に行動させるのだろうなと思っていたんです。それで、変な風になっちゃうんだろうなあと思っていたのですが、いい意味で裏切られましたね。それに、みんながバラバラにならないと、最後にジャイアンスネ夫が助けに来てくれるシーンが活きませんからね。ここは良かったと思います。
 コーヤコーヤ星での不思議な生き物たち。見ているだけで心がなごみます。しかし今回は視聴者が投稿したキャラもふくまれていたんです。去年みたいに子どもたちが何人も声優やるよりはましかもしれませんが・・・ひどかったですねえ。そりゃあ子供が考えたものだから酷いのは当たり前なんですけど・・・まあ、ある種のファンサービスなんでしょうねえ。でも、ドラえもんファンの子供たちへのファンサービスってこういうこととは違うと思うんですけどねえ。最大のファンサービスはやっぱり面白い作品を作って子どもたちに見せることですよ。野球ネタで申し訳ないですが、中日の落合監督は、「勝つことが最大のファンサービス」と言ってるのですが、私もこれに大いに賛同しています。
 さて、いよいよ決闘のシーン。重くなる鉱石をのび太の足につけるってのはいい改変だったと思います。のび太たちの方が圧倒的に身体能力が高いんだから、銃なんかで決闘せずに飛びかかってやっつければいいんじゃないの?ってつっこむ子どもがいそうですからねw
 決闘のシーンはいくらなんでも尺が短すぎでした。のび太が倒れてすぐにギラーミンも倒れちゃってましたから。
 こっからのシーンは悪口しか書けなくなるのでやめときます。ギラーミンが起き上がるとかもう一つの宇宙開拓史があったんだねってのび太が気持ち悪いセリフを吐くとかメインが決闘じゃなくてコア破壊装置を引っこ抜くことやモリーナの父さんとの話になってたりとか・・・・・・・・・

 やっぱりモリーナはいりませんでいた。モリーナがいなくて決闘をしっかりと描けていればかなりの良作でしたが・・・
 期待が大きかっただけに、色々と裏切られたなあと思いました。せっかく原作は素晴らしいんだから・・・
 とまあこんなところです。この映画を見て、改めて原作の宇宙開拓史の素晴らしさを実感しました。
 

 
 クイックジャパン88号の楠葉監督のインタビューを少し引用

劇場版の将来を考えると、そろそろ完全オリジナル路線に向かうべきではないかという意見もありましたが。話し合った結果、オリジナルに移行する前に、まず旧作でも人気の高い『のび太の宇宙開拓史』をリメイクしようという結論に落ちつきました。

 この文面を素直にとらえると、どうやらわさドラはこれから完全オリジナル路線にするようです。旧作のリメイクは、やはり何かにつけて比較されてしまいますので、完全オリジナルの方がよいのかもしれません。不安は大きいですが、これからの子供たちにドラえもんを継承させていくためにも、わさドラにはぜひとも頑張っていってもらいたいものです。