F先生没後の大長編考察Part1〜ドラえもん のび太の南海大冒険〜

 さて、没後の大長編考察をやらせていただきます。
 まず絵についてです。このころはたしかむぎわらしんたろうが描いていたんだとおもいますが、結構下手ですね。太陽王伝説くらいになるとだいぶまともになってくるんですが・・・
 ドラえもんはまあまあ上手です。何回も練習してるんでしょうね。
 しかし他のキャラがとてもヒドイ。なんか顔がくずれたりするんですよね。単純な顔ですから少し手を抜くとすぐに崩れるんです。これをとても丁寧に描けていたF先生はやはり偉大だと思います。
 次にストーリー、構成についてです。
 宝を探しに行く展開はてんとう虫コミックス45巻の「南海の大冒険」を下敷きにし、そこから膨らませています。
 のび太の恐竜とかのパターンですね。
 で、昔に行って時間犯罪者と戦うというのは日本誕生のパターン。
 ただ今回違っているところは自発的に昔へ行ったわけではないということです。
 今までの冒険はほとんどが自発的なものでした。そのため、子どもが日々の抑圧から離れて子どもだけのハラハラドキドキの冒険をするといった感じでしたが、今回のはそういうわけではないので、少し線路の上に乗ったような冒険だなという気がしました。
 まあストーリーの筋だけ見ると大長編ドラえもんらしいなという感じはしますがね。

 続いてギャグや演出についてです。
 10才の弟がコマ使いがあまり上手でないと言うくらいですからよほどヒドイのでしょう。
 では本題に戻ります。写真を載せたいのですが著作権やらなんやらがありそうですのでページ数の紹介をしたいと思います。
 P45のしずちゃんが海賊に追われているシーン。しずちゃんの顔が小さいので切迫した様子などが伝わりません。
 海賊の顔もハッキリ言ってギャグキャラみたいな顔ですからちっとも怖くはありません。
 これが、F先生没後の大長編は怖くない冒険なんだと言われてしまう所以なのでしょう。
 さらにp47のジャイアンが海賊をぶっ飛ばすシーン。いくらなんでもいい加減にしろとと言いたくなります。
 ジャイアンが海賊にぶつかって海賊ははるか遠くに吹っ飛ばされるシーンです。現実味が薄れます。こういう描写はマジメにやらないと感情移入なんか出来ません。
 さらに歌で相手の怪物を倒すシーンにはもう閉口してしまいます。
 こんな映画を見て育った私達の世代ではドラえもん=未収園児向けの低レベルアニメというイメージが付きまとうのでしょう。
 こんな感じでやってくんで次回もよろしくお願いします。