うちの石炭紀

 初出誌との描き変え比較をやってみたいと思って雑誌を古本屋で買ってきましたが・・・
 魔美の「ずっこけお正月の巻」は書き変えがなかった・・・
 唯一あげるとすれば
魔美「カズの子ちょうだい」魔美父「あっ!!たもと」の部分でビックリマークがあるかないかくらい・・・やらかした(笑)
 うちの石炭紀のほうは多少書き変えがありました。
 まず愛蔵版に掲載されているバージョンでは、二巻P580〜581はまるっと描き下ろしです。
「こないだからのさわぎで勉強のスケジュールが大幅にくるった」「取り返すのが大変だぞ」・・・(中略)
「テストってなあに」「一種の戦争さ(後略)」「で、この人が合格したら他の誰かが落っこちるの?」「そう!」「落ちる人かわいそう!ざんこく!」・・・(略)
ガリ勉はしかたなくやってることだ。・・・長い間の生存競争に勝ち抜きながら進化してきたというその系統発生によってきたる宿命だ」「にんげんってかわいそう」
という、ゴキブリの新しい子にテストや競争などについて教えている部分ですね。
これによってクライマックスの「他の生物をふみにじって栄えようという発想は人間だけのものだ」のシーンにつながるわけですね。この部分の描き足しによって物語により説得力を持たせることに成功しています。さすがはF先生ですね。ちなみにこの2ページにはちかしくんのにきびを描き忘れている箇所がいくつか見られますので、雑誌に載せるときにページ数の制約からやむなくカットしたというよりは単行本化の際にあらたに描き下ろしたのでしょうね。
 あとはその次のページの
「なんだこれは!おとなしくしていればどこまでもつけあがって」のコマは描き下ろし。
その次のページの電話線を切り、「われわれの計画が完成するまでは第三者に邪魔をされたくないのだ」の2コマが描き下ろし
 その次のページの「やつらはついに人間以上の科学を〜」のコマは、もともとその隣にあるコマにあるセリフでした。このセリフを分断することにより、「そうなると・・・やつらが考えるのは地球征服だ!!人間にかわって〜」のコマを小さくすることができます。このコマが小さくなることにより、より不安感をあおる演出が出来るわけですね。やはり小さいコマだと落ちつかなくて不安になるものですからね。閉所恐怖症という病気?もあるくらいですから。
 逆に次のコマ「もうためらっているひまはないぞ」は長くなってます。これによって主人公の決意がより分かりやすく見受けられます。
一応コマ割りの比較を描いてみましたが(笑)。実物を見てもらったほうが分かりやすいかもしれません(笑)。

 迫力ある?冷蔵庫のコマは雑誌版では小さく描かれています。これはページの制約からいたしかたなく小さくしたのでしょう。
 「宇宙船に改造させてもらった」のコマは構図が描きなおされています。これは次のちかしくんが倒れるコマが雑誌版ではなかったためだと思われます。これにより臨場感あふれる冷蔵庫の演出が出来ています(笑)
  しかしF先生の描き変えはすごいですねえ。明らかに描き変え後のほうがクオリティがあがってますからねえ。さすがはF先生です。