やたら藤子関係の話題が出た日

 今日は講義でやたら藤子作品についての話題が出た。
ひとつは、この間書いた中国の映画を扱う授業においてだ。
今回は中国における実写版の児童映画についての授業であった。
日本ではアニメ以外の児童向けの映画(もしくはテレビ番組)といえば、バラエティー風のものを除けば特撮ものくらいであろう。
なので、どんなものなんだろうと少し期待した。教授曰く、中国の児童向け映画は貧困は貧困のまま描くのだそうだ。
そんな映画が、今回上映された「三毛流浪記」だ。この授業の中国映画はいつも字幕はないからはっきり言って話の内容はよくわからない。
この映画も色々な場面に飛びすぎで、貧困をネタにしているのかなんなのかよく分からないただの不快な映画だった。
昔の中国の映画館では子どもがよく騒いでいたと言っていたが、このレベルでは飽きないほうがおかしいだろうという出来であった。
そのうえ、
「このタイトルを見てください。毛が三本と言えば・・・そう、オバケのQ太郎ですね。みなさんはあまりなじみがないかもしれませんが、みなさんのお父さんお母さん世代はみんな知ってます。この映画が、オバケのQ太郎のモデルになったのです。」と、ものすごい信憑性を欠く情報を語りだした。ちなみに、劇中での主人公の毛は3本ではないし、Qちゃんが最初毛はモジャモジャだったというのはあまりにも有名な事実。いくら雑談とはいえ、こんなこと喋っていいものだろうかと、少し失笑してしまった。しかもそのあとのセリフが、
「みなさんアニメのことを馬鹿にしているかもしれませんが、アニメってすごいんですよ。ジャイアンみたいな子とか、スネ夫みたいな子、しずかちゃんみたいな子とか言ったらみんなイメージ出来るんだから。」
と、フォローにもなんにもなってないことを言ってました^^
しかもこういうステレオタイプってファンにとっては最も嫌なことなんだが・・・

 つづいては児童文学の研究の授業。先生が授業で取り扱う作品をあらかじめ読んでおき、それを大人向けの視点で解釈し、作品に込められているメッセージを研究する、というもの。児童漫画を読んでいる身としては是が非でも受けておきたい授業だ。
 作者の周りの人間関係、性格、生い立ちなどもしっかり扱っていたり、一部は原文のまま読んだりと、なかなか本気度の高い授業だ。藤子作品の研究(俺はそんな高レベルなことやれてないけど・・・)にも役に立ちそうである。
 今回は「黄金の鍵」という比較的マイナーな作品をやった。そこに出てくる主人公たちには名前がないという話の後に、
「そういえばジャイ子も本名はないんですよね。(中略)ジャイ子は第一話だけはものすごく幼く描かれてるけども本当は漫画家になりたいひたむきな子なんですよね。・・・みなさん覚えてますよね?」
というものであった。(現在の大学生世代では子どものころ、大山ドラを見ていたという人はほとんどだが、原作を読んでいたという人は少ない、10人中、2人くらいだろうか。)この先生はこの手の雑談はデタラメがはいるとあらかじめ断っているうえに、内容はまあ100%間違いではないため前の人よりよっぽどまともであった。
この先生は言葉狩りは反対、差別で問題なのは言葉自体ではなく作者が差別の意図があったかどうかだとなかなかいいことを言っていたので、私的にも非常に好感が持てる先生である。
 藤子作品もそのうちにこうやって大学の教授がまじめに研究する日がくるのだろうか・・・
富山大学のは作品の内容やメッセージ性についてはほとんど研究してなさそうだから、もっと内容に踏み込んだ研究をしてもらいたい。


 ・・・そろそろ原作の感想でも書きたいな。とりあえず21エモンモジャ公読み終わらなくちゃ。